新世紀エヴァンゲリオン        [想いは歌にのせて]          byヴォルフィード
使徒戦が終わり、世界は平穏な日常を手に入れた。    ここは第三新東京市に建つ、コンフォート17の一室。 家主、葛城ミサトの一言が全ての始まりを告げる。    「私、今度加持くんと結婚するとになりました。 2人はぜひ家族代表として結婚式に出席してね!」 「 「・ ・ ・はい?」 」          そうユニゾンで聞き返したのはかつてエヴァのパイロットだった2人。 碇シンジと惣流・アスカ・ラングレー 2人は今もミサトとの同居を続けている。 使徒との戦いは渚カオルのゼーレ離反。     そして碇ゲンドウが仕掛けた情報戦によってゼーレは全人類の敵にしたてられ、ゼーレ消滅という形で終幕を迎えた。 使徒戦の混乱が落ち着くとゲンドウはシンジやミサト、リツコ達に使徒戦と人類補完計画の全てを話した。     人類補完計画、それは委員会と呼ばれる一部の人間が全人類を犠牲にして自分達だけ神になろうとした画策した計画。     それに気づき計画を頓挫させようとした碇ユイは、委員会の策略によってエヴァ初号機に取り込まれた。     ゲンドウはユイが遺した日記から全ての真相を知り、ゼーレへの復讐を決意。     冬月コウゾウを仲間にし、ユイのように危険が迫っていた息子のシンジを半ば捨てるようにして自分から遠ざけた。     ゲンドウは全てを話し終わると全員に土下座をして詫び、自らの審判をシンジに委ねた。 「シンジ、私は自分の我が儘に沢山の人を巻き込んでしまった。 特にお前には酷い仕打ちをしてしまった。」 「私のことをどうしようと構わない…。 シンジ私の全てをお前に委ねる。」 静かにゲンドウの話を聞いていたシンジは、ゆっくりとゲンドウに近づき… 「父さんのバカヤローーーー。」 シンジはそう怒鳴ると、渾身の力でゲンドウを殴り飛ばす。 「せっかくあの悲しい戦いが終わって、これからって時に。」    「自分だけ逃げようなんてずるいよ。 これからの世界には父さんは必要な人なんだよ。」 シンジは大粒の涙を流しながら、ゲンドウに話続けた。 「世界は変わり始めたんだ! 委員会が二度と出現しないようにする事こそ父さんの贖罪だよ。」    「ボクも協力するから、一緒に生きよう。 母さんの分まで・ ・ ・。」 「……シンジ、こんな私を   ゆるしてくれるのか?」 「ボクは赦すよ。 たとえ世界中の人たちが父さんの事を赦さなくても。」 シンジに続いて、ミサト達もゲンドウの事を赦すと言った。 最後にリツコがゲンドウに話かける。 「ゲンドウさん、あの時ゼーレが私の拉致・洗脳を計画していた事。」    「それから救うために私と関係したように見せかけた事には気づいてました。 もう自分を苦しめないでください。」    こうしてゲンドウはネルフ総指令として新たな世界の秩序構築に尽力を注いでいる。 ちなみにその後、レイとシンジの説得によりヒトとして生きることにしたカオルの協力により、 2人の女性がエヴァからサルベージされた。 碇ユイと惣流・キョウコ・ツェッペリンである。 ユイは一度ゲンドウにこってりとお仕置きしたが、その後はもとのように仲睦まじい夫婦に戻った。    キョウコは一度ドイツに渡り、自分の戸籍復活と夫との離婚調停に奔走している。 アスカも一度は使徒の精神汚染により心が壊れてしまったが、シンジの看病により再び心を取り戻した。     レイとカオルは、ユイとキョウコをサルベージした際に生体エネルギーを使いすぎた為、     現在ネルフ本部にて長い休眠に入っている。     シンジとアスカは各々の親と同居したのだが……。 シンジは両親の人目をはばからない熱々ぶりに我慢できなくなり。     アスカも心のリハビリという建前と、シンジ一緒にいたいという本音のため。 2人はミサトとの同居生活に戻ったのである。 こうしてミサトとの同居生活は2年がすぎ、シンジとアスカは高校1年に進学した。 そんなある日の夕食時にミサトの結婚宣言が飛び出したのだが…。 この2年間全く加持について何の話もなかっただけに、シンジ達は面食らったのである。 「ちょ、どうして行き成り加持さんと結婚するなんて話がでてくるのよ?」    先に復活したアスカがミサトにかみついた。 アスカの聡明な頭脳は瞬時に、     <ミサトが結婚→同居生活の終えん→シンジと離れ離れになる→ぜったいイヤーーー>     という方程式ができ上がっていた。 「こないだ加持と飲んでそのまま帰らなかった日があったでしょ。 その時にプロポーズされちゃったのよ。」 と惚気話を体をくねらせながらするミサト・ ・ ・(汗)    シンジはミサトの話を複雑な気分で聞いていた。   (ミサトさんと加持さんが結婚するのは大賛成なんだけど。 アスカと離れる事になるのは嫌だし。) シンジの心では相反する二つの気持ちが葛藤し、自己診断モード(自分の世界に入る)に移行! シンジとアスカが今後の事を真剣に悩んでいると、当事者のミサトが最後に、      「ああ、言い忘れてたけど式は来年だからね。 それまでは今まで通りよん。」 と一番重要な共同生活の存続をあっさり公言。   ((ごんーーー!!!!!)) 2人は派手にちゃぶ台へ顔面から突っ伏す。 「「ミサト(さん)ーーーー!!!」」 再起動した2人は一晩中ミサトに食ってかかったが、それでもミサトの惚気話が止むことは無かった。   当面は今まで道りの生活が続くとあって、シンジとアスカは表面上は平静を保っていたのだが、 どこかギクシャクした態度でお互いに接していた。 そんなある日2人がネルフ本部に顔を出すと、オペレーターの日向マコトに呼び止められた。 「シンジ君、アスカちゃん。ちょっといいかい?」 「どうしたんですか日向さん?」 とシンジ。 「なにか用事なの。」 あまり乗り気でないアスカ。 「ああ、実は2人に頼みたいことがあるんだけど。 協力してもらえないだろうか?」 「何をするのよ。 内容によるわね。」 「まあ立ち話もなんだし、詳しい話は食堂でしようか。」 「わかりました。 取り敢えず話だけでも聞こうよアスカ。」 「そうね。 そのかわりなんか奢ってよね!」     食堂で青葉シゲルと伊吹マヤが合流したところで日向が話を切り出す。 「実は葛城さんと加持さんの結婚披露宴で、バンドの生演奏しようと計画しているんだけど。」 日向の話に青葉が加わり、 「そのバンドのボーカルをシンジくんとアスカちゃんに頼みたいんだ。」 さらにマヤが頼み込む。 「お願い、シンジくんアスカちゃん。 あなた達にしか出来ない事なのよ。」 オペレーター3人の頼みに、少し戸惑ったシンジとアスカだが。 「ボクでは役不足かもしれませんが、それでもよかったらお引き受けします。」 「まあ、たまにはワタシの美声を聞かせるのもいいわね。 その話のったわ。」    のちに全世界を虜にした伝説のバンド [カノン] はここに誕生した。 シンジとアスカはバンドの練習に没頭し、バンドにはまっていく。 バンドの構成は、アスカがメインボーカル・シンジはサブボーカルとベース。      青葉がギター・日向はドラム・マヤがシンセサイザーとコーラスとなっている。 幸いなことに結婚式まで約1年あるため、練習はゆっくり行う事が出来た。     ある日の練習日。シンジは日向達に、     「ところで日向さん、演奏する曲は全部で何曲ですか?」    と質問した。     「ああ、葛城さんと加持さんの思い出の曲を7曲演奏する計画だよ。」 と答える青葉。 「選曲は大丈夫なんでしょうね。」 アスカが続いて質問。 「それは心配無いよ。 うちのかみさんに聞いたから。」 少し赤面しながら話す日向。 「いいな〜日向さん。 2人を見てると私も結婚したくなっちゃうわ。」 と小声で愚痴るマヤ。 とそこにマヤの愚痴に答える人物がやって来た。     「あらマヤならすぐにいい旦那が掴まるわよ。」   「き、聞いてたんですか先輩?!」 もうお判りだろう、日向マコトが結婚したのはリツコである。 使徒戦役後、ミサトに失恋したマコトとゲンドウと別れたリツコは互いに慰めあっていた。 それがいつしか恋に発展し、先月式を挙げたばかりだった。 リツコは選曲の他に演出などの協力もしている。 「マコト、全体の進行と曲の順番を作ってきたから見てくれないかしら?」 「ありがとうリツコ。 みんな、ちょっと休憩しようか。」 めいめい休憩するメンバー。      シンジはアスカに買ってきたジュースを渡し、隣りに座る。 「ありがとシンジ。 それにしてもリツコ幸せそうね。」 「そうだねアスカ。 日向さんとお似合いの夫婦だよね。」 「あ〜あ。 アタシにもあんな素敵な旦那様あらわれないかな・ ・ ・。」 と意味深な事を話したが、 「アスカならすぐに見つかるよ。」     アスカの発言を額面通りに受け取り、答えるシンジ。 何時までたっても鈍感大王である。 シンジの答えにアスカはみるみる機嫌が悪くなっていく。       「はん、あんたには関係ないことよ。」 と、ついきつい口調で言うアスカ。 「はは。 そ、そうだねゴメン。」 シンジの返答を待たずにアスカは練習スタジオに戻っていく。 シンジはそれをとても寂しそうな笑顔で見つめていた。      2人のやり取りを遠くから見ていたリツコとマコトはため息をついていた。 「まったくアスカは、もう少し素直になれないのかしら。」 「シンジくん、もっとアスカちゃんの気持ちを察してあげれないんだろうか。」 それでも練習は順調に進み、気がつくと結婚式まであと1ヶ月と迫ってきた。 つい先日休眠から目覚めたカオルとレイもバックコーラスとして加わり、練習にも力がはいった。 そんなある日の事、葛城邸に一本の電話がかかってきた。 「はい、葛城ですが。」 応対にシンジがでる。 「その声はシンジくんね。 久しぶりねキョウコよ、アスカちゃんはいるかしら?」 「キョウコさんお久しぶりです。 今アスカと替わります。」 「ママ、久しぶり。 元気にしてる。」 「ええ、元気よ。 離婚調停もほぼ片がついたわ。」 「そうなの。 ところで今日はどうしたの?」 「実はアスカちゃんにも離婚調停で証言してもらわなきゃならなくなったのよ。 それで今週にもこっちにきてくれない。」 「ええ、それでどのくらいかかるの。」 「そうね、約1ヶ月くらいかかるかしら。 ミサトさん達の結婚式には日本に帰れるわ。」 キョウコの話を聞いて少し考え込むアスカ。 「なんならシンジくんと一緒に来たら。 ワタシもシンジくんに会いたいし。」 「な、なに言ってるのよママ。 分かったわよなるべく早くそっちに行くわ。」 「まってるわねアスカちゃん。 じゃあこっちに着いたら連絡ちょうだいね。」 そういって電話はきれた。     リビングに重い足取りで戻ってきたアスカを見てシンジが話掛けた。 「どうしたのアスカ。 なにかあったの?」 「ママからドイツに来るようにって言われたの。」 「ええー、それで何時向こうに行くの。」 「今週中に行くわ。 帰ってくるのはミサトの結婚式の直前になるわね。」 「じゃあバンドの練習はどうするだよ。」 「それは大丈夫よ。 もお完璧にしあがってるし、ドイツでも自主練するから。」 シンジは自分の心にぽっかりと穴ができたような錯覚を受けた。 (アスカがドイツに行っちゃう。 ボクは、ボクは……。) 「じゃあアタシ先に寝るね。 荷造りもしなくちゃいけないし、おやすみシンジ。」 シンジがなにか考えこんでいるのが気になったが、バンドの事だろうと思いアスカは自室へと戻っていった。      翌日、バンドのメンバーにドイツへ行く事をつげその次の日にはドイツへと旅立つ。 シンジはアスカがいない事に気落ちし、バンドの練習で凡ミスを繰り返すようになった。 シンジの気落ちを見かねたリツコはユイに協力をもとめたのである。     ユイはリツコから話を聞くと早速行動に移す。 ユイはシンジを自宅に招き、夕食を振る舞うことにした。 久しぶりの家族団らんを楽しんだシンジは、そのまま泊まっていくことにした。 風呂に入り、自室でくつろいでいたシンジにユイが話しがあると言って入ってきた。 「シンジ、最近バンドの練習に集中出来ていないって聞いたけど。 アスカちゃんのことが気になるの。」 いきなり確信を突かれたシンジは驚いた。 「どうしてしってるの母さん。 あ、もしかしてレイが。」 「違うわよ、りっちゃんが教えてくれたの。 それよりシンジ、あなたアスカちゃんのことが好きなの?」 「か、母さん。 なんでそこにアスカが出て来るんだよ。」 「正直に答えなさいシンジ。 アスカちゃんのことが好きなの、嫌いなの。」 「・ ・ ・ ・好きだよ。 ボクはアスカのことが好きだ。」 「ならその事をちゃんとアスカちゃんに伝えたの?」 「そんな事出来るわけないよ。 アスカはボクのことなんか何とも思ってないんだから。」 「シンジ!」    そう怒鳴ると、ユイはシンジに平手打ちをした。 「どこの世界に好きでも無い男と一緒に暮らす女性がいると思うの?」 「母さん。」 「シンジ、もっと自分に自身を持ちなさい。」   「シンジはあの使徒との辛い戦いを生き抜き、心を壊したアスカちゃんを救ったのでしょ。」 「シンジ、思いは言葉にしないと相手には伝わらないわよ。 アスカちゃんだってきっとシンジの告白をまってるはずよ。」 「…そうだね、ボクはまた逃げ出してしまうとこだった。 ありがとう母さん。」 シンジは改めて母親という存在に感謝していた。 「わかればよろしい。 という訳でこれは私からのプレゼントよ!」 ユイはシンジに1枚のMDと楽譜を手渡す。 「母さん、これは?」 「そのMDには母さんが若い頃人気のあった曲が入ってるわ。」 「いいことシンジ、それをアンコールで歌いなさい。 アスカちゃんへの思いをありったけつめこんでね。 じゃおやすみ。」           ユイが部屋を出て行った後、シンジはその曲を一晩中聴いた。        次の練習日、シンジはメンバーにアンコールである曲を演奏することを願い出た。 すでに式まで2週間を切っており、シンジは無理を承知で頼み込んだ。 「わかったよ、シンジくん。 どうだろう皆、やってみようじゃないか。」 日向は他のメンバーに問いかける。 全員、異論は無かった。 ちなみにその時、シンジの後ろに巨大なユイの姿が見えたような気がしたとあるメンバーがこぼしたとか… それからは毎日深夜になるまでその曲を練習した。 ようやく納得のいく演奏が出来たのは、式の前日であった。            ………そして結婚式当日……… アスカは結局式の当日の朝、日本に帰国した。 一度アスカを入れての最終調整を済ませ、メンバー全員で結婚式場に向かった。 ネルフの手配したバスの車中で、 「アスカ、帰国したばかりなんだから無理はしないでね。」 「大丈夫よ。 時差ボケもないし、今日はおもいっきり歌うんだから! アンタこそへますんじゃないわよ。」 シンジとアスカは他愛の無い話をしていた。 他人から見ればただのおしゃべり。 けれどもシンジとアスカにとっては一番リラックスできる時間だった。 式場に着くと、男性陣は新郎の加持に女性陣は新婦のミサトに挨拶し披露宴会場に入った。 「それではこれより加持リョウジ・ミサトさんの結婚披露宴をとりおこないます。」 「司会進行は私日向リツコが勤めさせていただきます。」 リツコの計算された司会は、ともすれば暴走しそうな面々(冬月&ゲンドウの長講釈)をみごとに押さえ込んだ。 とはいえ酒徒ミサトの結婚式がただで終わるはずも無く…。 結局式は大荒れとはいかないながらも、十分デンジャラスな式だったと関係者は後に語る。 披露宴も盛り上がった所で、ついにシンジ達の出番が回ってきた。 皆緊張していたが、特にシンジは緊張のあまりにカチンコチン。 すっかりフリーズしていた。 「シンジくん、そう緊張しないで。 歌は文化の極みだよ。」 とお得意の文句でカオルがフォローに入る。 「そうよお兄ちゃん。 今までの練習どうりなら問題ないわ。」 レイも参戦する。 「ありがとう、カオルくん・レイ。 ボクがんばるよ。」 2人の励ましに満面の笑みをこぼすシンジ。 「そのいきだよシンジくん。」 「がんばろう、お兄ちゃん。」 「よーし、みんないくぞ!!」 マコトが激をとばすと、 「「「「「「おおーーー」」」」」」 と残りのメンバーが答え、ステージへとあがっていく。 「1・2・3」 マコトの掛け声で演奏がスタートした。 ミサトと加持の思い出の曲が次々と演奏されていく。 ロック、バラード、ラブソング。 仲間達の演奏にミサトと加持は素直に感動していた。 他の出席者もシンジ達の演奏に聴き入ってしまい、式場全体が興奮に包まれる。 観客の興奮はシンジ達にも伝わり、これなでのどの練習よりいい演奏ができた。 やがて最後の一曲が終わると、出席者全員からおしみない拍手がおくられた。 シンジ達が席に戻ろうとした、 「アンコール、アンコール、アンコール・ ・ ・。」 ユイ、キョウコをはじめ、葛城夫妻や出席者達からのアンコールが起こった。 一足早く自分の席に帰っていたアスカはアンコールの曲を準備していない事に気付き、 シンジ達に相談に行こうとステージの方に行こうと席を立った瞬間。 突然おちていたステージの照明が点灯。 よく見ると、シンジがボーカルのマイク前に立ち、静かに話し始めた。 「みなさん、ボク達の拙い演奏にアンコールをしていただきありがとうございます。」 シンジは一礼し、話を続ける。 「最後に歌う曲は、丁度ミサトさんと加持さんが小さいときに流行ったアニメの曲です。」 「この曲はミサトさんが初めて買ったCDの曲という事で、もしかしたら聞き覚えのある方のいらっしゃると思います。」 シンジの話を半ば呆然と聞いていたアスカは、 (ちょ、いつの間にアンコールを用意してたのよ。 これは後で折檻ね!」 心の中でこの後のシンジへの罰を検討していた。(汗) 「この曲をボクの姉さんともう1人。 ボクのかけがえのない家族である女性に捧げます。」 そう言うとシンジは、アスカの眼を見詰めながら曲名を紹介する。 「1/3の純情な感情」 シンジのベースが前奏を奏でた瞬間、アスカはシンジから眼が離せなくなった。 (シンジが自分の為に歌ってくれる。) アスカは心に熱い何かが込み上げてくるのを感じながらシンジの歌を聴く。 壊れるほど愛しても 1/3も伝わらない 純情な感情は空回り I love youさえ言えないでいる My heart 長くて眠れない夜が 君への思い 「それは恋なんです」と囁くよ とめどなく語りかける揺れる鼓動は 微熱混じりの 溜息へとかわるよ Give me smile and shine days 君のsmileで 凍てつく夜の寒さもGoodこらえられる 壊れるほど愛しても 1/3も伝わらない 純情な感情は空回り I love youさえ言えないでいる My heart 真夏の雨のように 渇いた素肌 潤す君の笑顔がまぶしくて Give me smile and shine days 急に澄まさないで どんなに困難で難関な壁も越えるから どれだけ君を愛したら この思い届くのだろう 見つめられると言えない 言葉が宙に舞う 離れれば離れるほど 愛しい人だと気付く 求めれば求める程に 切ない距離を感じてるMy heart   Give me smile and shine days Give me smile and nice days もしもこの腕で君と抱きしめ合えたなら… どれだけ君を愛したら この想い届くのだろう 夢の中では確かに 言えた筈なのに 壊れるほど愛しても 1/3も伝わらない     純情な感情は空回り I love youさえ言えないでいる My heart My heart I love you・ ・ ・ 演奏が終了した。 一瞬の静寂が訪れ、やがて会場中から惜しみないスタンディングオベーションが送られた。 マコト達は出席者に笑顔で答える。 アスカは頬をつたう涙を拭おうとせず、シンジの瞳をただ見つめていた。   アスカは嬉しかった。 シンジが演奏中ずっと自分だけを見て歌ってくれたことが。 そして最後のI love youの後に声に出さなかったが[ASUKA]と言ってくれたことに。 幸せ一杯のアスカを見ながら、 「やれやれ、まあこれで万事丸く収まったわね。」 してやったり顔のユイが漏らす。 「ふっ、シンジよくやった。 これで初孫に一歩近づいたな。」 気分はすっかりおじいちゃんなゲンドウも続く。 「シンジくん。 アスカちゃんのことよろしくね!」  キョウコにいたってはすでに次はシンジとアスカの結婚式準備ね、と一人計画を頭の中で組み立てだした。 全てが終わり、ステージ裏に来たシンジにアスカが飛び付き抱きしめた。 「シンジ、あの曲はワタシの為に歌ってくれたのよね?」 アスカに抱きしめられ、真っ赤になりながらシンジが答える。 「そうだよ。 アスカのことを見てアスカへの想いを全部注ぎ込んで歌ったんだ。」 「嬉しい。 シンジ大好き!!!」 「ボクもアスカのこと好きだ。 大好きだ。」 シンジとアスカはお互いを強く抱きしめた。 それをまわりのメンバーも祝福するよに皆笑みをこぼしていた。 こうしてシンジとアスカは恋人同士になった。 ちなみに今も2人はコンフォート17で暮らしている。 ただ、ミサトが新居に引越した為今は2人しかいない。 今日も2人の部屋からは楽しいそうな声がはずんでいた。 余談であるが、近頃民法が改正され男女とも16歳で婚姻できるようになった。 某国連組織からの圧力があった言われたが真相は定かでない。 「「「さあ、早く孫をつくりなさーい。」」」 シンジとアスカの幸せな日々は続く・ ・ ・のか? (終劇) [作者後書き] みなさま初めまして、ヴォルフィードと申します。 最後まで読んでくださいましてありがとうございます。 それでは次回またお会いしましょう。   美奈:ヴォルフィードさんからの初投稿でした〜w管理人さんも更新の目的が出来てよかったよねぇw 則和:マァ・・・な。それにしても、歌とか音楽を題材にした作品って良いよな。 美奈:そうですね。何か、歌詞のような告白されてみたくなります。 則和:ふむ…そうなのか? 美奈:え…その、まぁ…気障だって未幸は言いますけど…。私はカッコいいなぁって。 則和:日本の歌は知らないからなぁ…。 美奈:洋楽なんですか? 則和:あぁ。まぁ、知らないからこそ、その歌が引き立つってのもあるけど、日本人には日本の歌だけだ 美奈:そう言うものですか? 則和:言っておくが、洋楽は日本の歌よりテンポ速いし早口だぞ日本人にとって 美奈:そうなんだ…。 則和:まぁ、日本の歌の持ち歌も用意しておくのも悪くないかもな 美奈:そ、そうですよ!この作品に出てきた歌とか歌ってくれたらうれしいなぁ…。 則和:壊れるほど、愛しても三分の一も伝わらない〜♪ 美奈:…(ぽっ ヴォルフィードさんへの感想はこちらへ! 
SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送