世界が滅ぶ時 第4話 By KEN
「お邪魔しま〜す」 家に着いてから、十数分で惣流さんはぼくの家に来た。 一応、ちょうど着替えた時だったので、少し驚いた。 「あ・・・こんにちは」 ドアを開けると、朝とは違う格好をしていた。 ポニーテールに白の薄手のTシャツとGパンの格好だった。 ・・・結構、気合入っているなぁ・・・。 「汚い所だけど、入って入って」 「あはは、汚くなくちゃ、手伝い甲斐がないわよ」 「そう、言ってくれると助かるよ」 部屋の奥へ招き入れる。 ・・・あぁ、そう言えば、ベッド直してなかったな。 洗濯物もあったし・・・。 「あのさ・・・惣流さんは、この棚は何処に置けばいいと思う?」 「・・・・・・明日香」 「・・・・・・明日香は、この家具は何処に置けばいいと思う?」 「ん〜・・・居間にはテーブルあるし、何を棚にいれるの?」 「本かな、マンガとか雑誌とか」 「じゃあ、信士の部屋の方がいいんじゃない?ベッドがある所」 「そ、そうだね」 ・・・呼び方って・・・難しいな。 「じゃあ、あたしが中身を入れとくわ。本の入ってるダンボール何処?」 「えっと・・・あれ」 ぼくが指を指す。 ・・・そう言えば、何かあのダンボールにはマズイ物が入っていたような。 ・・・・・・あ・・・。 「ちょ、ちょっと明日香・・・」 「信士・・・これは何?」 なんとなく、惣流・・・明日香の声が怖かった。 ・・・あぁ、あれって結構お気に入りの奴じゃあ。 「え、いや・・・その・・・」 「捨ててきてあげようか?」 「そ、それは・・・ちょっと、駄目・・・かな」 必要な人には必要な本。 ・・・ぼくは必要な人間なので、思わず捨てないでくれと言ってしまった。 はぁ・・・ 「ふぅ・・・配置決め完了。ありがとう、そ、惣流さん」 「・・・・・・」 微妙な雰囲気の沈黙が少し重かった。 こんな事なら、ショルダーバックに入れて持ってくればよかったなぁ・・・。 「こ、紅茶でも入れてくる」 居たたまれなくなってこの場から逃げるように出ていった。 はぁ・・・やっぱり、手伝ってもらうの失敗だったかなぁ・・・。 「はぁ・・・」 水をやかんに入れて、お湯をわかしている。 ・・・なんとなく、この間の時間が、ぼくに嵐の前の静けさと言うか・・・。 最後の休息の時とか・・・そんな感じの物を与えていた。 「・・・信士」 「は、はぃ・・・」 嘘だった・・・。 惣流さんは、ぼくにそんな時間をくれなかった。 はぁ・・・言い訳でも少ない時間の間で考えていればよかった・・・。 「信士の本って言うものはあれだけなの?」 「え、えっと・・・あーいう物ってのは・・・ほんの数冊で・・・」 「信士は、あんな物で興奮したりするの?」 「・・・・・・ぼくも男ですので・・・」 「信士は好きでもない女の子の裸を見て興奮したりするの?」 「えっと・・・確かにできれば、好きな女の子の方がいいと思うけど・・・実際、ぼくの歳だとそんな機会なんかないから・・・」 はぁ・・・言い訳ばっかだなぁ・・・。 「なんていうか、色と恋って違いが男には・・・ぼくにはあるみたいだから・・・」 「・・・・・・」 「・・・ごめんなさい」 「・・・・・・はぁ・・・・・・」 思いっきり溜息をつかれた。 ・・・はぁ、嫌われただろうなぁ・・・。 「まぁ、いいわ。・・・これから、極力!そのえっちな本を見ないならね」 「あ、う、うん・・・」 「まぁ・・・も、もしガマンできなくなったら・・・そのぉ・・・あたしが相手してあげよっか?」 「そ、それは、・・・え、遠慮するよ!そ、それに、惣流さんにはそんな事頼めないよっ!」 「どうして?」 「そ、そりゃあ・・・好きでもない・・・えぇっと、好きだけど友達だから・・・そんな事出来ないよ」 「・・・・・・」 「知り合ったばっかりだし、・・・それにそーいう事頼めるのは、本当に大切な人だよ」 「ん、そうね。・・・じゃあ、あたしは帰るわ」 ぼくの答えに満足したのか惣流さんは、笑ってくれた。 ・・・修羅場は過ぎ去ったようだ。 「あたしとアンタはまだ友達か・・・。信士、言っておくけどね!」 「え、なに?」 「あたしは、アンタの事が好きだからね!」 「・・・えっ」 「んじゃ、そーいう事で!」 「そ、惣流さん!それって、どーいう・・・」 「明日香よ!」 「は、はい」 「いーい?今度あたしを明日香って呼ばなかったらアンタがえっち本をしこたまため込んでいるって学校中に言いふらすからね!」 「は、はぃ・・・」 「じゃ、また明日ね!」 呆然と手をふってしまった。 あ・・・そう言えば、紅茶いれるの忘れてた。 「はぁ・・・今日は、とてつもなく疲れた」 身体じゃなくて、精神がとてつもなく疲れた。 ・・・はぁ、惣流・・・っと・・・明日香は、ぼくの事を好きと言ったけれど・・・。 どーいう意味の好きなのだろう・・・? はぁ・・・。 プルルル・・・プルルル・・・。 携帯が鳴ってるや・・・。 誰からだろう・・・って、相手は決まっているか。 「もしもし・・・麗?」 『うん・・・1日ぶりにお兄ちゃんの声を聞いたよ』 「あはは・・・それは、ぼくもだよ」 『大丈夫?一人暮らし、困ってない?』 「うん・・・中々、楽しくやってるよ」 『そう』 「うん」 『・・・あと、二ヶ月くらい経ったら行くからね』 「うん。・・・でも、いいの?友達と離れ離れになるんだよ?」 『大丈夫、私と友達のみんなは、太い絆で結ばれているから・・・』 「そっか・・・じゃあ、二ヶ月後にね・・・。また、電話するよ」 『うん』 続く 後書き 第4話です。 余談ですが、私も信士の持っていたもの持ってます(汗 私には、必要なもんですし・・・(爆 ・・・ごめんなさい。 ・・・それと、感想があまり来ないです。 少し凹み中・・・。 感想はこちらから。 掲示板にでもいいのでよろしくお願いします。
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