世界が滅ぶ時 第2話 By KEN
ジリリリ・・・。 ・・・うるさい。 ぼくの頭の中を掻き回すような音。 手を伸ばして、その音が発される場所を探りあてる。 ・・・チンッ。 音が鳴り止む。 はぁ・・・これで、大丈夫だ。 ・・・おやすみなさい。
『コラァ!起きなさい!このバカ信士ぃっ!』
「わ、わぁ!?」 思わず飛び起きてしまった。 「・・・・・・知らない天井だ。・・・知らない女の子もいる・・・」 呆然とまわらない頭で呟いてしまった。 「この・・・」 ゴチッ・・・とそんな音が頭に響いた。 少し痛い・・・。 でも、そのおかげで意識がはっきりした。 「・・・あ、昨日の・・・」 やっと、自分が何処にいるかも、目の前にいる女の子が誰なのかも思い出した。 そう言えば、ぼくは、引っ越してきたんだっけ。 そして、目の前の女の子はぼくが助けた子だ。 確か・・・惣流 明日香さん・・・だったと思う。 う〜ん、今更だけど、この子・・・結構美人だなぁ・・・。 「惣流さん・・・だっけ?」 「えぇ、そうよ」 女の子は頷いた。 ・・・でも、なんでこんな所に? 「な、なんでぼくの部屋ん中に?」 「えっと、管理人さんと知り合いだから合鍵貸してもらったのよ」 ・・・えっと、そんな事が聞きたいんじゃなくて・・・。 「どうして?」 「そ、それは、べ、別にいいじゃない。あ、ほら信士、高校って第三新東京高でしょ?」 「う、うん」 「でしょっ!あたしもだしさ。だからここら辺の道順知らないでしょ?教えてあげようって思って」 「まぁ、イマイチ覚えてないね」 「ね!だから、昨日のお礼がてら・・・それと・・・あたしも新入生だしさ、知っている人と行きたいじゃない」 「そう?・・・じゃ、よろしくお願いするよ。・・・あ、その前に」 「え?」 「はぁ・・・お礼返しか・・・」 結構律義な奴だな・・・。 あたしは、テーブルの席に座りながら信士の後ろ姿を見ている。 と、言っても横を向いている時もあるか・・・。 はぁ・・・結構、あいつって鈍感ねぇ・・・。 意識して、下の名前で呼んでいるのに。 ・・・それに、疑わないし・・・あたしの無理な答えに。 ほんと、良い奴ねぇ・・・。 大体、まだ朝早いじゃない・・・。 今日は珍しく早起きって言うか、入学式って事で不安になってあまり眠れなかった。 だから、寝不足気味でナチュラルハイだし・・・勢いづいて、ここに来ちゃったのよねぇ・・・。 おかげで朝ご飯も食べてない事に今更気づいた。 それにしても、ここのアパートって結構広いのね。 贅沢に、キッチンと居間が別れているし。 寝室もちゃんと別にあるし・・・。 こんな事なら、あたしも一人暮らししてみたかったなぁ・・・。 「・・・それにしても、本場の料理人みたいね」 ぼ〜っとそれを見て言った。 いきなり朝ご飯までごちそうになるなんて・・・。 あまり考えてなかった事だ。 「はい、どーぞ」 「あ、ありがと」 ご飯と出汁巻き卵とお漬物。 う〜ん、日本って感じがする。 「あと、これね・・・」 それと・・・お茶。 「じゃ、いただきまーす」 「・・・いただきます」 そーよ。 見かけ倒しよ。 それに簡単なものばかりじゃない。 「・・・・・・」 おそるおそる箸で卵をつかむ。 ・・・一口。 ・・・もぐもぐ。 ・・・ごくん。 「美味しい・・・」 「そう?よかった」 そう言って信士も一切れ口に入れる。 「ん・・・上出来」 「信士・・・」 「ん、なに?」 「次の誕生日は期待しててね」 「誕生日?・・・ん〜6月だけどなんかあった?」 「・・・来年の誕生日は期待しててね」 力なく笑って言った。 「そー言えば、学校ってこっからどのくらいなの?」 「ん〜、15分くらい」 「そうなんだ。ん〜、ゆっくりできるっていいなぁ〜」 「へぇ、中学はどのくらいかかったの?」 「1時間くらいかな・・・ほんと、毎朝大変だったなぁ・・・」 「へぇ・・・」 んー、あたしとは全然違うわね。 中学だって、徒歩5分くらいだったし。 「ごちそうさま、ぼくは準備するから、食べ終わったらお皿は流しの所に置いといて」 「う、うん」 「じゃ、行こうか・・・」 「えぇ、そうね。まぁ、入学式だけなんだし力抜きなさいよ」 「ま、そうなんだけどさ・・・」 頭を掻く仕種が少し可笑しかった。 まぁ、あたしも信士がいなかったら凄く不安だったと思う。 でも、今は少し楽。 やっぱり、信士って良いなぁ・・・。 「入学式か・・・お昼くらいまでだろうね」 「そーね」 「お昼ご飯考えておかなくちゃなぁ・・・」 なんか、主夫ねこいつ。 「惣流さんは、どーいうお昼ご飯が好きなの?」 「あたしは?あたしは、昼はファーストフードかな?それか、家でヤキソバつくるくらい」 「ふ〜ん」 ・・・はぁ、そんな良い食生活してるわけないじゃない。 「ねぇ、惣流さん。あの建物だよね?」 信士が指差しながらあたしに言った。 うん、そうだ。 あれが、あたし達の通う事になる学校だ。 「そうね。・・・じゃ、これからよろしくねっ、し・ん・じ!」 「うん、よろしく」 「あ、それと!あたしに事はあ・す・か・・・明日香って呼ぶのよ!」 「え?」 「じゃ、先行くから!」 あぁ、なんだか恥ずかしいわ・・・。 続く 後書き 今回の連載は、一話一話短いです。 短い文章でどれだけ良い文章を書いて行けるか頑張りたいです。 感想の方もよろしくお願いします。 最近、六星占術でかなり今年が悪い年って占われているので凹んでいる最中なので(汗。 KEN
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