世界が滅ぶ時 第12話 By KEN
「それで、お兄ちゃんが調子悪いのが続いて、しまいには二人とも寝ちゃったと…」 私は少しキツイ目で二人を見る。 私は立っていて、二人は正座だ。 「ご、ゴメン、麗…」 お兄ちゃんは、何ともすまなさそうに言う。 少し私の機嫌も直ってきた。 「信士が悪いんじゃないの…あたしが殴っちゃったから…」 「うぅん…調子悪かったのは事実だけど明日香に膝枕されて浮かれてたのも事実なんだ…」 「信士…」 「軽蔑するよね…妹をほっておいて…明日香に甘えちゃうんだからさ…」 「うぅん…あたしも信士に膝枕できて嬉しかったし…」 むぅ…こ、この二人は…。 明日香さんは、明日香さんで頬を赤く染めて…。 ぬぅ…か、カワイイじゃない。 お兄ちゃんもここにグラッと来たのかしら? 「じゃ、じゃあさ…両方、悪かった事にしない?」 「うん…そうね…そうしてくれる?」 …二人だけの世界に入ってぇ!!! 私は、この二人を絶対に許してやらないと決めた。 「ご飯〜ご飯〜♪」 ふぅ…夕飯時のおかげで助かったよ…。 おかげで、やっと機嫌をなおしてくれた…。 明日香も麗の隣に座って夕飯を食べている。 だけど、表情が複雑だった…。 苦いような…なんか…形容できない。 麗のお説教の所為か…。 はたまた、夕飯が口に合わなかったのかもしれない。 もっと、明日香の好みに合う味を研究しないとなぁ…。 「そう言えば、麗は薫君に送ってってもらったんだよね?」 「そう!はぁ、カッコ良かったなぁ…」 「麗ちゃんは、あのナルシスホモに興味があるの?」 「明日香…それはちょっと…」 「何よ?あいつったら何時もあんたと目が合う度に手握ったり、抱きついたりするじゃない」 「まぁ…それは、そうだけど…薫君なりのスキンシップじゃない?」 「…あたしだってしたいのに…」 「え、何か言った?」 「え、うぅん!何でもない!」 まぁ、明日香の言ってる事は本当なんだよなぁ…。 時々…薫君にその気があるのかなって思ったりするけど。 けど、多分…違うと思うんだよなぁ…。 「違うもん!薫君はノーマルよ!」 麗が声を大にして言う。 「今は、レイちゃんの方に気があるみたいだけど、すぐに振り向かせてみせるもん!」 「え…渚が綾波さんに?」 「うん!絶対そうよ!」 確かに麗の言っている事は合ってるかもしれない…。 薫君と話す時、綾波の話題がよく出るから。 「へぇ…そうなんだ…」 「まぁ…私が上手く薫君と付き合えるかは…お兄ちゃんにかかってるけど…」 「ぼく?」 「そ。知ってた?レイちゃんは、お兄ちゃんが好きな事」 「え、えぇ…そ、そんな事、ある訳ないじゃないかぁ」 ぼくは動揺した。 綾波とは、友達だし…今までだって、そんな事、意識してなかったから。 ふと、明日香の方を見てみる。 「…信士」 何か、目元が潤んでる…。 明日香の上目遣い…カワイイ…。 「まぁ、レイちゃんとお兄ちゃんが付き合ってくれれば問題ないけど…」 「おい」 「でも、そんなフェアじゃないし…お兄ちゃんを餌にしてるみたいだしね」 「……」 「だから、明日香さん…ちょっと二人で話しましょ」 「え…何?」 「んっふっふ…得する話だから…こっちへ…。お兄ちゃん、部屋借りるからね」 「あ、おい!」 そう言って、麗は明日香を拉致(?)して、ぼくの部屋に行ってしまった。 ぼくは、仕方なしに洗い物でも片付けようと思った…。 「で、何…麗ちゃん?」 信士の部屋に連れられて、あたしは、その張本人を見た。 麗ちゃんは、二マッと笑う。 「んふふ〜…明日香さんは、お兄ちゃんの事、好きなんでしょ?」 「な!…えと、その…」 「別に隠さなくたっていいよ。それに、小姑とは仲良くしないと」 「あ、うん…」 この子…結構、策士? 「一応、兄妹だし…お兄ちゃんの好みなら知ってるよ?何か、情報リークしたげよか?」 「……いいの?」 「いいよ。でも!条件があります!」 「え…何?」 「私にも、薫君の情報!」 「いいけど…あんまり頼りにならないかもしれないわよ?」 「いいよ、無いよりマシだし」 「じゃあ…あたしはそろそろ帰るわ。夜遅くまでゴメンね」 「いいよ。夏休みだしね」 ぼくと明日香は、アパートの外に出て、話していた。 明日香も二人きりで話したそうだったから。 気になるのが、麗とすれ違う時に小声で「頑張れ」と言ってた事だ。 あれは…誰に対してのだろう…。 「麗ちゃん…いい子ね。あたしにまで気を遣ってくれるんだもん」 「うん…麗はいい子だからね」 性格に少し難有りだけど。 心を許せる相手には親切だ。 ぼくが後片付けをしている間にかなり打ち解けたようだ。 「ねぇ…今度、プールに行かない?」 「プール?いいけど」 「よかった。じゃあ、今度の週末…土曜か日曜に!」 プールか…。 高校生になってから、入ってなかったからなぁ…。 それにしても、プール…。 明日香…どんな水着着てくるんだろう…。 あ…顔が熱くなってきた…(汗) 「じゃ、またね〜想像しすぎるんじゃないわよ!エッチ信士♪」 …もしかして…バレバレ? 続く 後書き まず、最初に…ごめんなさい(汗 かなり、時間が経ってますね…。 まだ、この話…序盤だし…季節も夏だし(汗 短編…書こうと思ったんですけど…ネタがなくて(汗 やっぱり、この連載を書ききるまでは、短編はホント、気分が乗った時しか書けないですね。 それじゃ、次回、また会いましょう〜♪ 感想頂けると、頑張る気力が更に上がります。 それでは、次回!
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