世界が滅ぶ時 第10話 By KEN
「ぼくはいらない子なんだ」 「だから、ゴメンって!…って、誰が誰の子よ!?」 ぼくは明日香のプロボクサー顔負けのパンチをくらって気絶してしまった。 流石に、明日香も悪いと感じたのか、介抱してくれていた。 簡単に言えば、膝枕。 柔らかい感触が気持ち良いけれど、ある意味落ち着かない。 「でも、信士の妹さんってあんな子なのね」 「うん…甘やかせ過ぎたのかな?性格が何時の間にかあんなのになっちゃったみたい…」 「ふ〜ん…綾波さんもあんな感じになったら恐いわね」 「ははは…」 少し乾いた笑い声が出てしまった。 「そう言えば、麗は?」 「あぁ、あたしに一言謝って出てっちゃったわよ」 「そっか…大丈夫かな?あいつ、ここら辺の道知らないし…」 ちょっと、ぼくは身体に力を入れて起き上がろうとした。 だけど、まだ脳がグラングランと揺れていた。 「ほら、まだ駄目だって。もう少し寝てなさい。調子が良くなったら迎えに行けばいいでしょう」 そう言われて、ぼくは目を閉じた。 なんか、母さんって感じがする。 匂いもなんか優しい。 頭も撫でられた…。 子供扱いされてるけど…嫌じゃなかった…。 ぼくは、どんどん海の底に沈んでいく。 「はぁ…お兄ちゃんにやっと彼女が出来たか」 今まで、そんな相手を見たことがなかった。 だから、心配してたし安心してた。 お兄ちゃんは、私のものだ…って思えたし。 それが、もうこの三ヶ月で変わってしまった。 何か、少し寂しい。 実質、私を育ててくれたのが、お兄ちゃんだ。 私のような我侭娘をよく育ててくれたと思う。 お母さんが、いないからと言って駄々をこねても、お兄ちゃんが謝った。 そして、抱きしめて頭を撫でてくれた。 学校に持っていくお弁当も、私のはクラスで一番華やかだった。 お兄ちゃんは、いろんな努力を私にしてくれた。 だから、それがなくなると、少し寂しい…。 嫌、とっても寂しい。 「…でも、兄離れもしなくちゃ…ね?ね!」 自分に言い聞かせた。 お兄ちゃんを安心させなくちゃいけないし。 こんなのは、私じゃない。 よし、家に帰って二人をからかってやろう! 「…っでも、問題が一つ…」 そう…。 「ここはドコー!?」 辺りをよく見回す。 何か前に見たものはない? 見たもの? 目印とか? あ…あの蒼い髪の女の子見覚えがあるなぁ…。 あ! 「レイちゃーん!」 私は、その女の子の所へと駆けていった。 ついてないわ…お米が切れちゃってるなんて。 もう指が引き千切れそう…。 こういうとき、誰か運んでくれる人はいないかしら? …駄目ね、碇君の顔が思い浮かぶなんて。 「レイちゃーん!」 …なんか、幻聴まで聞こえてきた。 …もうすぐお迎えが来るのね。 …出来ることならお米…ご飯を食べたかった。 それと同時に何か大きな衝撃が、私の背中にぶつかった。 …もう駄目なのね…。 続く 後書き やっと書けました。 ですが、なんと短い(汗 次の話も書きかけなんです…。 後、ちょっとなんです…。 多分、近日中に(汗
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