４１．眠い-その後


By KEN







「ぐすっ…ぅ…」


則和の部屋から鼻を啜る音がする。


「…お前が言ったんだろ？」

「でも…ぅ…馬鹿ぁっ！」


則和は先程、美奈に言われた事を守っているだけだった。
美奈は美奈で口から思わず出た言葉だった。
だから軽くそれを無視して抱きしめてほしかった。
自分から抱きつくのではなく、抱きしめてほしかった。
彼女自身が求められていると感じたかった。


「則和さんなんか…嫌い…」

「…そうか」


美奈はこの時、自分の口を恨んだ。
則和の声の雰囲気が違ったからだ。


「なら、ここから早く出て行ってくれ」

「あ…ゃ…」

「俺が必要っじゃなければ出て行ってくれ…」


則和は背を向けた。













「や、違う…違うんです…」

「……」

「私はただ…あなたに必要とされたかったから…」

「…俺がお前を必要じゃないと思っていたのか？」

「だって…いつも私が迷惑かけてるから…」


美奈は則和の寝間着の端を握る。


「俺は…俺の方がお前に迷惑かけてると思ってる。だから、心配かけないようしなくちゃいけないって…思ってる」


美奈の手に力がこもる。


「馬鹿だ…則和さんって…」

「…知ってる」

「迷惑かけてほしいんです…強引にキスしたり、エッチなことしたり、意地悪したり…」

「…」

「度が過ぎれば謝ってくれればいいんです…言葉があるんですから」

「そうだな…」


則和は美奈の方を向く。
目を少し潤ませて則和を見上げている。
ゆっくりと美奈の肩に手をまわす。
少し力を入れて抱きしめる。


「…ん…」


美奈の小さな声が聞こえた。


「美奈…」

「…はい…」










「ん…ぁん…」


則和の深い口付けに美奈は小さく震える…。


「なんか…いつもと違…ぅん…」

「…手加減なしだからな」


少し則和は苦笑する。


「…はぁ…」


キスを止めると、美奈は少し名残惜しそうな顔をする。


「…あ、あの…シテください」


顔を真っ赤にして言う。
だけど、則和は…。


「駄目」

「え…あ、あの…」


駄目と言われてみなは少し悲しそうな顔をする。
美奈は則和とのキスでスイッチが入ってしまったようだ。


「…今日は、美奈がしてくれ」

「え…そ、そんな…」

「…美奈に嫌いって言われて傷ついたな…」

「うぅ…」


少し負い目を感じているのか、美奈はすまなそうな顔をする。


「まぁ、たまにはいいだろう？」

「…分かりました」


則和は仰向けになり、美奈は則和に覆いかぶさる。












「じゃ、じゃあ…」


美奈は恐る恐る則和に口付ける。
最初は、軽く触れ合う。

そして、次第に深く口付けていく。
美奈は、次第に無意識に則和の唇を求める。
唇を離すと則和の首筋に唇を這わせる。


「くすぐったいな…」

「むぅ…」

「でも…新鮮な感覚だな」

「ば、馬鹿…」

「馬乗りになられるのもな」


意地悪そうに笑う。
美奈の顔は赤かったが、さらに赤くなっていた。


「そ、そんな事させたのは、則和さんじゃないですか」

「俺は美奈からシテくれと言っただけだぞ」

「うぅ…」

「まぁ…俺は、焦らされるのは好きじゃない」


そう言って則和は美奈の胸に手を添える。


「ん…焦らすっ……て…私、そんな事」


則和は上半身を起こして美奈にキスをする。
向かい合って抱き合って、美奈はその熱にぼうっとしていた。


「服…脱がすからな…」

「…うん」












「あん…っ！」

「美奈の声…イロッぽくなってきた」


則和はそう言ってみなの胸を愛撫する。
胸の突起を口に含んで転がす。


「ぁ！…馬…鹿…」

「…そろそろ…な？」

「うん…」

「だけど…今日は、自分で動いてみてくれ」


則和は仰向けになり、美奈は則和に跨る。
則和の一物をそっと握り、そこに腰をおろす。


「んぅ…はぁっ！」

「ぅ…いつもと違うな…じゃあ…腰を動かしてくれ…」

「は、はい…」


そう言って、美奈はゆっくりと腰をグラインドしていく。


「ん…ぁ！…力が抜けて…きちゃう…！」

「どんな感じだ？」

「わ、分かんないっ…でも…気持ちいい！」


頭を振って、腰を動かし続ける。
則和は、容赦せず、さらに美奈を攻める。
上半身を起こして、美奈と向き合って抱き合う状態になる。


「ほら…」


美奈を下から突きあげるように腰を動かす。


「あ、あぁぁ！…す、凄い！…」

「イイのか？」

「う、うん！頭が真っ白になって、則和さんのことしか考えられない！」


激しくなる腰使い。
則和もだんだんと強めていく。


「俺もそろそろ…」

「うん！…出して！私のナカに！」

「いくぞ！」

「あっ…私…もう…だ、ぁぁああああ！！！」


その瞬間、美奈の中で則和がはじけた。






























「んぅ…もう2時だよぉ…」

「…そうだな…」


二人は行為を終えた後、泥のように眠っていた。


「君恵さん達は？」

「朝からお出かけしてる…」


それに、則和は胸を撫で下ろした。
バレてると思うが、流石に、バレバレなのは、嫌のようだ。
最近、則和は君恵にからかわれるの事が多い。


「どこか…行くか？」

「いいんですか？」

「あぁ…」


軽く美奈にキスをして起き上がる。
美奈もそれに続いて笑顔で「うん」と言った。