ぼくたちは、恋していく。 初恋(前編) By KEN
ぼくには彼女がいる。 可愛くて、頭が良くて、運動以外は何でもできる・・・。 ホント、自分には勿体ないくらいの人だ。 ・・・何故、こんな事を言うかと言うと・・・。 まだぼくと彼女は付き合って間もない。 今回は、ぼくのちょっとした過去の話・・・。 「信士〜、ジュース買ってきたわよ」 「うん、ありがとう」 ぼくの彼女・・・明日香。 明日香の笑顔は、眩しい。 陽の光を浴びて、白い肌が輝いて見える。 「どっちがいい?」 「うん・・・これかな」 ぼくは、彼女の笑顔がずっと見ていたい。 それは、ぼくの一番の願い。 彼女の悲しい顔は見たくない。 「あ・・・」 「あ、これ明日香のだった?」 「え、うぅん、いいの」 「いいって」 何時もは強気な彼女。 でも、ぼくには少し優しい。 それに、ぼくには少しおどおどしている。 「あ、うん。ありがと・・・」 「うん・・・ぼくもありがとう」 何となく、明日香と繋がっていると思えるから・・・。 ぼくは自然と笑みが出てしまう。 「ふわぁ・・・眠い」 「あはは、良い天気だものね」 「うん・・・さてと、午後の授業はサボろうかな・・・」 「もぅ・・・ちゃんと出ないと駄目じゃない」 「ん・・・自主休講・・・」 「もぅ・・・」 ぼくは、そのまま仰向けに寝転がった。 隣に座っていた、明日香が少し何か言いたげな顔をした。 「・・・信士」 「何?」 「ちょっと、頭上げてくれる?」 「?・・・うん」 言われた通りにする。 明日香が、ぼくの頭の方に座り直して、ぼくの頭を自分の膝にのせた。 うわぁ・・・少し、恥ずかしいなぁ・・・。 「どう?アタシの膝枕?」 「ん・・・気持ち良い・・・」 これは、まったく偽りのない本音だ。 絶対、ぼくに安眠をもたらしてくれると思う。 ・・・でも、何故かいやらしい気持ちも芽生えてきているのは気の所為だろうか(汗 「おやすみ」 「おやすみ、信士」 段々と意識が薄れていく。 それは、心地よく・・・。 段々とぼくが空にのぼっていくような感じさえももたらしてくれる気がした。 「へぇ〜、上手く行ってるんだ」 「うん、バッチシよ、光」 久しぶりに今日は光と一緒に帰った。 信士は部活に顔を出しに行った・・・。 吹奏楽部だったかな・・・確かそんなのに入っていたと思う。 もう、私たち高校三年生は部活を引退しているけど、信士は結構律義だ。 週一、二回は顔を出しに行っている。 きっと、彼は慕われているんだなぁ・・・。 「いいなぁ、羨ましいよ」 「もう、アンタもちゃんと鈴原に言えばいいじゃない。・・・好きだって」 「で、でも・・・迷惑だろうし」 「まぁ・・・勇気がいるのは確かだしね・・・」 私は、夕日を目を細めながら見た。 私も、それなりの勇気を出していたと思う。 「はぁ・・・」 「頑張れ!光!」 「うん、ありがと・・・明日香」 光にも、何とか笑顔が戻った。 少し、安心・・・。 「そう言えば・・・話は変わるけど願書出した?」 「あぁ・・・進路の?」 「うん。私、迷っちゃってさ」 「そうねぇ・・・。アタシは・・・信士と同じ大学かな・・・?」 ・・・少し自分でも色惚けと思った。 まぁ、信士と同じ大学に行きたいのは確かだしね。 「・・・・・・明日香、それ無理かも」 「ふぇ・・・どうしてよ?」 「今日、全国模試の結果が返ってきたでしょ?」 「うんうん。アタシ、結構頑張ったつもりだけどなぁ。一応三十番代に入ったわよ?」 「流石、明日香!・・・って言いたい所だけど・・・」 光が浮かない顔をした。 う〜ん・・・どうしたのかしら? 「碇君って、頭良いみたい?」 「そうなの?信士、何時も中間くらいだって言ってたけど?」 「あぁ・・・成績が悪いのはサボるから。こういう結果だけのテストって彼って物凄くいいわよ。確か、五位だったわよ」 「う、嘘・・・」 もしかしたら、私はとんでもなく優良物件を手に入れてしまったのかもしれない。 「だから、第三新東京大学でも受けるんじゃない?」 「そっか・・・アタシは第二だからなぁ・・・」 少し悔しかったりする。 むぅ、信士ったら何で言わないのよ! 「はぁ・・・はぁ・・・疲れたよ〜信士〜」 「ほら、頑張って明日香」 ぼく達は相変わらずこんなんです。 でも、多少変わったのが歩くスピードが一定になった事。 もし、明日香が疲れてもぼくが手をとって引っ張っていく。 毎日、そんな感じだ。 「うん・・・。そう言えば・・・信士」 「ん・・・何?」 「信士の初恋って・・・いつ?」 「う・・・え・・・・・・?」 ぼくはほんの少し表情が変わってしまったかもしれない。 明日香の顔が少し微妙に変化する。 気まずいなぁ・・・。 ぼくの初恋・・・それは、ぼくにとって苦い思い出だ。 「「「碇君の初恋ぃ〜!?」」」 今日は光達と昼食をとる事にした。 だから、少し聞いてみようと思った。 「うん。ほら、光達なら同じクラスだし、仲良かったと思ったし・・・」 「まぁ、それなりにはね。麻奈ちゃんや麗ちゃんはどう?」 「私は・・・知らないわ」 「私もそうよ」 「そっか・・・」 私は少し落胆した。 もし知っていたら、その女の子を探して、うふふふ(謎) 「なんてね・・・嘘」 「え?」 ふいに麻奈が何か思い出したように言う。 なんとなく顔が赤いのは気の所為? 「・・・ごめん、明日香。実は・・・私」 「え・・・あ」 私は少し居心地が悪くなった気がした。 うぅ・・・まさか麻奈だったとは・・・。 「そ、そうだ『だったら嫌だよね〜!』 「あはは、麻奈ちゃんったら」 「うふふ、明日香には笑えないジョークよ」 ・・・・・・。 あぅ・・・。 何だか知らないけれど、涙が出てしまった。 「あわわ、ごめん、明日香。まさか、そんなに真に受けるとは思わなかったわ」 「うぅ・・・違うの、あまりにもアタシが馬鹿っぽくて呆れたってゆ〜か、悲しかったの」 麻奈があたふたしながら私を慰めようとしてくれた。 そんな事されるから、さらに涙が出そうだった。 だけど、何とか涙を堪えた。 「それにしても、明日香と碇君のカップルもついにそーゆー事気にするようになったんだ」 「うんうん。なんだか普通のカップルみたいだよ明日香」 「あ、ありがとう・・・」 拍手をおくられるのは嬉しいけど・・・。 何となくあまり素直に喜べなかった・・・。 「でもね明日香・・・」 「光・・・」 「つきあっているんだからさ、色々触れると思うよ。もし嫌な事に触れたらどっちかが謝ればすむって」 「うん・・・」 「恋人同士なんだもん、そんな簡単にお互いの事嫌いにはならないでしょ?」 「うん・・・嫌いになんて絶対にならない」 「それに、碇君は口下手だけど優しいんだから。それにしっかりしているし、ちゃんと明日香の事考えてくれているわよ」 「うん」 「それにね・・・ギクッとしたのはそーゆー話に慣れてないから!しまったって顔は、明日香を傷つけなたくないから!」 真剣な表情で言ってくれる光。 私は、今どんなに助かっている事だろう。 「もう・・・碇君の事は一番、明日香が知っているんだからね!それくらい自分で大丈夫って分かりなさい」 「うん。ありがと・・・光。それに、みんな」 あぁ・・・また不覚にも涙が出てしまった。 そうだよねぇ・・・信士を信じなきゃ始まらない。 碇君の初恋か・・・。 やっぱり、まだ引きずっているのかしら・・・? 私はある人物の方向に視線を向ける。 今、視線を向けてはいけないと思ったけど・・・思わず行ってしまった。 「どうしたの・・・光?」 「う、うぅん・・・何でもないわ、麗ちゃん」 まだ引きずっているのかな? お互い・・・麗ちゃんも信士君の事を。 そして、信士君も麗ちゃんの事を・・・。 馬鹿碇・・・。 「初恋かぁ・・・」 「そうやなぁ・・・わいらもそーゆー事一つや二つはしとるけんの〜」 「そうだねぇ・・・。まぁ、僕は昔も今も信士君い一筋だからね」 健介、冬士、薫君・・・そして、ぼくは何時ものお決まりの場所にいた。 やっぱり、寝転がっている。 「まぁ・・・最近、誰に恋しているかって言うとなぁ・・・なぁ、冬士?」 「あん?・・・あぁ、アレか?」 健介と冬士は何かニヤリと笑った。 何となく想像できる(汗 「年頃の男から、漫画とテレビ取ったらあれしかないっしょ」 「そーそー、あれや・・・エロ本」 「・・・健介、冬士・・・意外にヤバクなってきたね」 「・・・近寄らない方がいいって感じだね・・・」 ぼくと薫君は冷や汗をかきながら苦笑した。 そうしていると、健介と冬士はギンッとこちらに刺さるような視線を向けてきた。 「うるせ〜、信士!お前なんかに言われたくねーよ」 「そやそや!もう友達じゃないわい!」 「あ、あはは・・・」 「信じられねーよなぁ・・・。女の子とつきあうのが分からないって言う割りには中学時代はあいつとつきあってたんだしよ」 「そーそー、学園のアイドルだったあの子と」 「いや、つきあうって言うか・・・その」 「それに、彼女もいない俺達に自慢気にしゃべくるんだからよ」 「け、健介と冬士がしつこく聞いてきたんじゃないか」 涙を流しながら近寄ってくる二人が少し怖かったりした(汗) 隣で薫君も涙を流して擦り寄ってくるのでさらに不気味だった。 もう・・・健介達はかなり妖しい裏サイトから情報を手に入れているからなぁ・・・。 もう、彼女=何というかシタイって感じだ。 第一、明日香にはまだ早いって思う。 意外に子供っぽいから・・・。 可愛いけど、ちょっと我侭だし、怒ると怖いし。 まだ、大人の魅力ってのが足りないと思う。 「信士、一緒に帰ろ!」 「あ、うん。分かった」 眩しい明日香の笑顔。 ・・・・・・。 ゴメンナサイ。 もしかしたら、ぼくはとんでもなくスケベかもしれません。 やっぱり、可愛いし・・・。 ぼくだって年頃(?)だしね・・・。 今、繋いでいる手のおかげで、少しドキドキしている。 あぅ・・・。 ・・・信ちゃん・・・ごめんね・・・ ・・・あ、綾・・・ ・・・ごめんね・・・酷い事して・・・ごめんね・・・ ・・・・・・ ・・・もう、こんな事しないから・・・ 何でぼくを、涙を流して悲しい笑顔で見るんだ。 そんな事は止めてくれ・・・。 綾波には、笑顔が似合うんだ・・・。 だから・・・。 「ふぅ・・・」 「どうしたの、碇君?」 「委員長・・・」 久しぶりに教室で退屈そうに席に座っていると委員長が、話し掛けてきた。 「麗ちゃんの事・・・?」 「!」 「碇君・・・昔の事忘れろって言わないからさ・・・。昔みたいに友達つきあいしようって言おうよ・・・麗ちゃんに」 「・・・・・・」 「それに、これ以上この関係続けていると、明日香が傷ついちゃうよ。ギクシャクしているんでしょ?」 「うん・・・」 「じゃあさ・・・帰り言おうよ」 「うん・・・分かった」 ぼくは覚悟を決めようと思った。 あぁ・・・これからぼくはどうなるんだろう? 願わくば、明日香を傷つけないように・・・。 続く。 後書き イフリートさんのとこに投稿したSSの続きです。 まぁ、うちでも何か掲載しないといけないので・・・載せました(汗 イフリートさんのサイトはこちら 前後編です。 長くなりそうなので分割します。 さてと、後半を書き始めようと思います。 感想はこちら掲示板にもどうぞ。 何はともあれ、最終兵器彼女、最高!
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