「行っちゃったな、遠坂」

「はい…」






頑張ろう






姉さんは、キッチリ一週間の滞在でロンドンにまた行ってしまった。
やっぱり、何か…寂しさを感じる。
姉さんは、割と騒がしい人だから、衛宮の家が賑やかになったと感じた。

でも、また今日から…先輩とライダーと私だけしかいない。
元々、みんなあまり喋らないから…本当に姉さんが…姉さんの存在を大きく感じた。
話している内容が、姉さんにとっては愚痴でも面白かった。

やっぱり、姉さんはあっちでもトップだし、あぁ…やっぱり変わらないな、と思う。
今回は、ライバルがいるみたいだから、少し嬉しそうだったかな。
きっと…『あら、ミス・エーデフェルト、貴女そんな良い宝石でそれだけの成果しかあげられないんですの?』…とか。
裏だと『ザマーミロあの金ピカ』とでも言ってるんだろうなぁ…。

…想像してみると、なんともリアルに思い浮かんでしまう。
まぁ…でも、これからも良いライバルでいてあげてくださいね、エーデフェルトさん。

そう思うと…私も何かしないといけないって想いが生まれる。
頑張ろう…私には、ぴったりの言葉だ…。
まだ、何に対して頑張れば良いのかも思いつかない。
でも、何時かは何に対して頑張れば良いか分かると思う…。
それは、分からなくちゃいけないから…。


「先輩、ライダー」

「ん、なんだ?」「なんですか、サクラ?」


先輩とライダーの声が揃った。
少し可笑しい…。


「今日は、なんにしましょう?」


まぁ…久しぶりの遠出だから、あまり大それたものは作れないけれど。
それに、何を思ったか…バス停も一つ前で降りて、三人で家まで歩いている途中だ。
だけど、それに後悔も疲れも感じない。
姉さんとの別れに出来た、何か熱のような物を私は冷ましたかった。

もう、日も落ちかけている。
赤い夕日が沈んでいこうとしている。
なんとなく、姉さんとの一時の別れとイメージがだぶった。

あぁ…きっと、赤いからだろうなぁ…。
何となく姉さんが…『頑張りなさいよ』と言っている気がした。


Fin.


後書き


今回は短いです。
凛の見送りに行った後の話です。
何となく、凛は飛ぶ鳥後を濁さずみたいな感じがあります。

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