二人一緒に♪
By KEN
「ん…お前って犬みたいだよなぁ…」
「え?」
則和の言葉に不思議そうに返事を美奈はした。
「いや…冬なのになんでこんなに暑いのかなって…」
少し意地の悪い笑みを見せながら美奈の頬を小突く。
「あ…駄目…なんですか?」
少し非難めいた顔で則和を見つめる。
則和はそれに苦笑して、美奈の頬を突付いていた手を頭に持っていく。
美奈の柔らかで綺麗な髪の毛をそっと撫でた。
「昔のおかげでな、暑さには慣れてないんだよ。こういうじんわり来る温かさは…」
「じゃ、慣れてもらいます。ずっと私がこうしていてもいいように」
そう言って、みなは強く抱きつく。
則和もそれを咎めたりせず、優しく美奈の肩を抱いた。
「そう言えば、さっき私が犬みたいって言ってたけど…どうしてですか?」
「ん…まぁ、怒るだろうから言わない」
「む!そっちの方が気になります!怒らないから言ってください!」
「まぁ……。昔はさ、結構俺に距離をとって接してただろお前」
「そ、そりゃあ…その時はそんなに親しくなかったし…」
「そ。まぁ…今はさ、家でも学校でも何処とな触れてくるから…そう思っただけだ」
「むぅ…そんなに学校じゃベタベタしてませんよ」
「そうか?屋上で二人で食べてる時とか、休み時間とか、帰り際の公園とか…どうだったかな?」
「…あぅ…」
美奈はその時の様子を思い出したのかポッと頬を赤くする。
それを則和は見て、少し笑った。
「むぅ…」
「拗ねるな拗ねるな」
「則和さんだって…猫みたいです」
「ん?」
「猫みたいに、そっぽ向いていて私に気がないのかな思わせて…何時の間にか私を逃げれないように捕まえているんだもん」
「…あ、まぁ…悪かったな…」
「仕返しですよ」
小さく笑って美奈は則和を見つめる。
則和もそれに習って美奈を見つめる。
お互い、二人で微笑みあう。
二人でテレビを見ている。
ゴールデンタイムのバラエティ番組…。
それなりに、二人は面白いと思った。
「そう言えば…」
則和はふと思った事を口にした。
「最近、君恵さん達と話しているか?」
「え…まぁ、それなりに。…あ、えっと…昔に比べれば減ったかなぁ…」
「最近、お前の親父が俺に向ける視線がキツイぞ」
「あ、あはは…」
美奈は乾いた声で笑った。
「…笑って誤魔化すな。…あの視線は、結構キツイぞ」
「むぅ…私だって、結構大変な目にあってるんですよぅ」
「?」
「お母さんが、いきなりお風呂に乱入してくる事があるんです。運が悪いことに…その…痕が残ってる時に…」
「痕って…そ、それか?」
美奈が首筋を見せてくる。
赤い痕がついている。
思い当たる事がある則和は、少し咳き込みそうになった。
「原因…それか?」
「お母さん…こういう類の話好きだから…。お父さんには必ず報告するんです…」
はぁ…と、二人は溜息を吐く。
「暫く…その…そういう事するの止めておくか?ここの所、ほとんどだしな…」
「え…そ、その…私は…嫌じゃないって言うか…べ、別にからかわれても…」
「?」
「だ、だって…則和さんが抱きしめてくれるとき、安心するし、嬉しいし、温かいし…本当に嬉しいんです…」
美奈は真っ赤になって、しどろもどろに言うが、則和には何が言いたいのか伝わった。
その様子に則和は少し笑ってしまう。
可笑しくて、たまらなかった。
「美奈は正直で…可愛いな」
「っ…そ、そうですか?」
「あぁ…俺には勿体無いくらい…」
そう言って、則和は美奈を抱きしめる…。
美奈も則和の背中に手を回す。
美奈は目を閉じて…。
「則和さんだって…私には、勿体無いくらい…カッコ良くて…強くて…優しい人です…」
「…そうか?自分じゃカッコいいも、優しいとも思わないけど…」
「うん…そうですよ。あはは…気づいてない所、則和らしいです。私の好きな則和さんです…」
則和はそういわれると、気恥ずかしくなって誤魔化すように美奈の髪の毛を撫でた…。
「私の髪…好きですか?」
「ああ」
「嬉しいな」
嬉しそうな声で言う。
則和はその返事が少し嬉しかった。
だけど、口には何も出さず、ただ髪の毛を撫で続けた。
「お前の髪の毛って…触り心地が良い…」
「…一応、手入れには気を遣ってますから…」
「そっか」
「その…則和さんのためでもあるんですけどねっ」
そう言って、美奈は背中に回していた手の力を少し強める。
「あ、あの…テレビ…見てないなら消しましょう…」
「あ、ああ…」
則和は近くにあったテレビのリモコンを操作してテレビを消す。
「机にリモコン置いてくるから、少し離してくれ」
「…うん」
則和はそっと立ち上がり、自分の勉強机の上にリモコンを置いた。
ゆっくりと振り返って美奈の方へと戻る。
ほんのりと頬を上気させた美奈がいて、則和は胸が高鳴った。
隣に座って、お互い見つめあう…。
美奈が目を閉じて、則和は美奈の首の後ろに手を回す…。
もう一方は、腰の方へ…。
「ん…ぁむ…」
美奈が小さく声を上げる。
則和はその反応が面白く、また嬉しくもあった。
美奈との口付けも一時終了し、美奈の閉じていた目が開かれる。
則和は、その目に心臓を高鳴らせた。
上気して赤くなった頬…潤ませた目…。
どれが、則和の胸が高鳴るのに十分な要素だった。
「美奈、後ろ向いて…」
「え…あ、うん…」
美奈は少しキョトンとする。
今まで、則和はそんな事をしなかったからだ。
少し困惑しあんがら後ろを向いた。
則和は、美奈の上の服を捲り上げる。
「ん…則和さん?」
「今日は…こっちから」
小さく呟くと、そっと背中を日となでする。
そして、唇の花びらを美奈の背中に落とす。
「ん…やだ…痕になっちゃいます…」
「いいよ、ここなら目立たないだろ?」
「ば…かぁ…ん」
「背中…弱そうだな」
「そ、んな…事、ないもん」
強めに美奈の背中に唇を落とす。
「んぅ…」
「ホントに?」
「…うん…でも」
「…でも?」
「心臓の裏辺りは駄目みたい…。なんか、胸が切なくなる…」
「…苦しいのか?」
「うぅん…でも、何でか分からないけど…涙が出ちゃう…」
則和は美奈を抱きしめる。
後ろから包み込むように…。
「大丈夫か?」
「うん…でも、背中への攻撃…苦手かも…」
「ん…」
「顔が…見えないと不安なんです…」
「うん…」
「後ろから来る気持ち良さ…て…怖いんです…。なんだか、知らない人に触られてるみたいで…」
「そっか…」
則和は美奈の身体を自分の方に向けさせる。
美奈は、申し訳なさそうにしている。
則和は、少し苦笑した。
「ほあ、そんな顔するな」
「ゴメンなさい・・・っ…ぅ…」
「俺は、お前が良くなって欲しいだけだから。嫌なら嫌って言ってくれればいいんだ」
「でも…それじゃ、私…何にも則和さんにしてあげれない…。ただ、自分の我が侭ばっかで…」
美奈の頬に涙が伝う…。
それを則和は指で乱暴に拭う…。
そして、抱きしめて自分の胸に顔をうずめさせる…。
小さな嗚咽が聞こえてくる…。
あやす様に美奈の背中をトントンと叩く。
「美奈…俺は、お前からいろんな物を貰ってる…。色んな大切な物を…」
「…っく…ぇ…ぅ…」
「それに、俺に尽くしてくれる。お前がまだ何か足りないと感じているのなら、それは筋違いだと思う」
美奈は首を横に振る…。
「わ…たしは、何にもしてあげられてないもん…。なんの…支えにもなれてないっ…」
「…そんな事ない…。でもな…美奈が本当にそう思うなら、嫌いになるぞ」
「っ」
「支えになってるって言ってるのに、信じてくれないんだからな…」
「やだ…やだよ…嫌いになっちゃ…」
「なら、さ…少しは信じてくれ…」
トントンと…優しく背中を叩く。
「まぁ…至らないと思うなら…努力すればいいんだ…。苦手な事を克服する事でも、得意な事をさらに上手く出来るようにとかな」
「うん…」
「分かったか?」
「うん…ありがと…則和さん…」
「よし。じゃあ、泣き止め」
「うんっ」
美奈が元気を取り戻すのを則和は実感した。
それが、出来るようになった自分が誇らしかった。
「私…頑張ります…」
「ん…則和…ぁ…ぅ…」
甘ったるい声が響く。
則和は何時もの美奈じゃないと思った。
さっきより積極的で、何時もより自分を求めていると思った。
美奈の絡ませる舌が、則和にそう感じさせていた。
何時もはすぐに力を失う舌も、今日はまだ動いている。
力を失うような気配もない。
「はぁ…今日は、何時もと違うな」
「…頑張って…則和さんに良くなってもらいたいから…」
美奈は、そう言って則和の唇に吸い付く。
何時もより情熱的なキス…。
則和は、それに酔いしれていた…。
「ん…ぁむ…ど、どうですか?」
「ん…良いよ。俺も負けてられないな…」
則和はそう言って、手を美奈の胸に持っていく。
上のボタンを四つほど開ける…。
ピクッと震える仕草を美奈は見せる。
「あ…」
「ここら辺を…こうして…」
ブラと胸の隙間に手を差し入れる。
そっと、撫で回す…。
そして一旦手を離して、ブラを上にずり上げる。
手は胸の先端には触れず、周りを撫でる。
「んぅ…っ」
「どう?」
「はぁ…はぁ…ず、ズルイですよ…」
「なんで?」
「だ、だって…胸…触られたら…」
「触られたら?」
「力抜けちゃうよ…」
「いいよ…ほら、寝転んで…」
とん、と軽く美奈を押すとゆっくりと美奈は仰向けに寝転んだ…。
髪の毛がぱっと綺麗に広がる…。
そっと…服のボタンをとって肌蹴させる。
「ブラも…とるな」
「うん…」
美奈の背中に手を回す…。
プチっと音がして、ブラが外れる…。
「美奈の胸は綺麗だな…」
「そ、そうですか?でも…小さい…でしょ?」
「お前の身長に適当な大きさが付いていると思うぞ。あんまりデカイと少し引くぞ」
「…ん…嬉しい…」
そう言うと、満足したように目を閉じる。
則和も、もう一度美奈にキスをする。
「ん…美奈ってキスが上手くなったよなぁ…」
「そう…ですか?私は、則和さんの真似してるだけです…けど…」
「そうか?」
「そうですよ…」
「ふむ…」
則和は少し考えてみる…。
確かにそうかもしれない…舌の動きは…。
まだ、ぎこちないけど…。
だけど、そのぎこちなさが良いのかもしれない。
「あの…則和さん…」
「なんだ?」
「…そ、その…続きし、しませんか?」
「そうだな…エッチな美奈ちゃんにはサービスしないと」
則和は手を美奈のスカートの中に潜り込ませる。
ピクッと美奈の身体が跳ねる。
「え、ん!わ、私、そんな風に言った訳じゃ…ぁ!」
「ん…直がいいのか?エッチ・・・」
「え、違…あぁ!」
そっと下着の隙間を縫って美奈の秘所を触る。
下着の中は熱く濡れている。
「こことか…いい?」
「ぁ!?っ!?んぁあ!!」
いきなりの則和の攻めで美奈は堪らず喘ぎ声を上げた。
則和はそのまま、美奈の秘唇を指で刺激する。
そして、指を美奈のその秘唇にそっと入れていく。
「んぁ…ぁ……」
「苦しい?」
「うぅん…その…気持ち良いです…」
さっきまでの威勢はすでになかった。
もう美奈は則和によって、言葉も上手く発せないほどよがっていた…。
顔を赤くして、目をトロンとしている。
「じゃあ…全部脱がすぞ」
スカートも下着も全て脱がす。
それが終わると、美奈の足を広げさせる。
太腿を一回撫でてから、股を閉じさせないように持っておく。
「あ…ぅぁ…は、恥かしい…」
顔を手で覆う美奈の姿を見て、少し嬉しかった。
お互いの身体で知らない所はなくなったのだが、この反応は変わらなかった。
ずっと初々しい美奈を見ているのは、則和を飽きさせなかった。
「美奈のココ…綺麗だぞ」
そう言って、口を美奈の秘唇に近づける。
チュッと音を起てる…。
「んぅ!…の、則和さん…そこ汚いですから…」
「美奈のだから、気にしない…だから、こんな事もする」
秘唇の上にある小さな突起物に口付ける…。
さらに、それを軽く甘噛みする。
「んぁぁぁ!」
美奈の腰が激しく踊る。
だけど、則和は攻めを止めない。
秘唇の周りを嘗め回す。
ピッ、ピッとしぶきが顔にかかったが気にしない。
行為を美奈が絶頂に達するまで続けた。
「はぁ…はぁはぁ…」
「美奈…大丈夫?」
「…んぅ…だ、大丈夫…」
「じゃ、行くぞ…」
「うん…」
お互い裸になって、抱きしめ合う。
滑々とした美奈の肌の感触が、則和には心地よかった。
そっと、則和は自分の一物を美奈に埋めていく…。
「ぁ…ぁぅ…」
「美奈…お前も動いて…」
「ぅ…ん…頑張る…」
ギッ…ギッ…とベッドが音を起てる。
「はぁ…ぁっ…んっ…」
「何時もより…キツイ。美奈…」
「…気持ち良いですかっ?」
「あ、あぁ…何時も早くイキそうだ…」
「ぅん…いいよ…私がイカすもん…」
美奈は腰の動きを微妙に変えていく。
同じ刺激に慣れさせないようにする。
「ぅっ…この…」
則和は咄嗟に美奈の肉の真珠に指で弄る…。
「ぁ…ああ」
「こっちだって負けないぞ」
「ん…負けないもん…」
美奈は必死になって腰を動かす。
だが、則和の一撃でもう身体が思うように動かなかった。
やがて、美奈は絶頂へとのぼっていく。
「あ!…んぅ…則和ぅ!…私、もう!」
「美奈!」
「わ、私…もぅ…キス…し…私、飛んじゃ…!」
則和は美奈に深く口付ける。
「ん…んぁあああ!」
喘ぎ声と、熱い息が則和の口の中に入っていく。
美奈の中が収束する。
それと同時に則和も達した。
「ぅわぁ…ぁあああぁ…」
「ん!…則和…の…熱ぅ…い」
則和は美奈の胸に倒れこんだ。
はぁはぁとお互い息が荒い。
美奈はゆっくり則和の頭を抱きしめた。
「はぅぅぅ…」
「ほらっ、そんな端っこに寄るなよ。こっち来いって」
「だって…恥かしいもん…」
行為を終えて、二人は風呂に入った。
運が良いことに、君恵達は出かけていた。
書置きを読んで、則和と美奈は胸を撫で下ろした。
今日は、何時もより声を出していたと思うので内心冷や冷やしていたのだ。
「駄目だ、来い」
「…」
顔を真っ赤にして、則和の近くに来る。
美神邸の浴室は豪勢だ。
優に美神一家の人間が入れる広さを持っている。
だから、美奈が則和に近寄らなくても浴槽に入っているのも納得がいく。
「…き、来ました」
「ん…」
則和は美奈を抱きしめる。
「美奈は初心だよなぁ」
「そんなんじゃ…お、乙女心ですよ」
「ん。でも、男心も分かってもらわないとな…」
「男心って…?」
「好きな女が近くにいるんだ…裸で…。抱きしめないといけないのが男の心情だ」
「…」
顔を真っ赤にして言葉が出ない。
則和は、その様子が嬉しく更に深く美奈を抱き寄せる。
「今さ…凄い…幸せだぞ…俺」
「え…?」
「美奈がいる…。ちゃんと支えてくれる人がいるんだ…嬉しくてたまらない」
「…私も…」
「だから…さ…。ずっと一緒にいて欲しいな…」
「うん…ずっと一緒にいてください」
FIN.